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世界初⽅式


マルチフルスクリーン


ホームドア開発

Project Story

技術本部 製品技術部

妹尾 潤(2011年⼊社)

駅ホームの安全性と利便性をさらに高めるため、私たちは世界初となる“マルチフルスクリーン方式”のホームドア開発に挑みました。既存規格に捉われず、自由な発想で「どこでも設置できる」仕組みを追求し、さまざまな駅環境や運行形態に対応できる新しいドア設計を実現。開発からテスト、運用に至るまで多くの試行錯誤を重ね、確かな安全性と柔軟な運用性を両立しました。より多くの駅で導入可能な次世代のホームドアとして、新しい価値を生み出しています。
01
Story
始まった
「どこでも開けられるドア」開発
「本当にそんなホームドアができるのか︖」そんな空気が漂う中、2019年にプロジェクトはスタートしました。 協⼒会社のスタッフを含め、不安が⼤きかったのを覚えています。 それでも、ゴールは決まっているので⽴ち⽌まっている余裕はありません。

⽬指したのは「どこでも開けられるホームドア」です。

たとえば、同じ乗り場に異なる⾞種が⼊線する場合、乗降⼝の位置が異なるケースが出てきます。 これまでは、ロープ式の昇降式ホーム柵や超⼤開⼝のホームドアなどにより〝間⼝を広く〟することで対応してきました。 しかし、これらの⽅式はいずれも筐体部分をホーム上に固定する必要があるため、どうしても乗降⼝にできない箇所が出てきてしまうという課題がありました。そんな中で、こうした従来の⽅式では対応できないホームが、2023年に開業することになったのです。

JR⼤阪駅・うめきた地下ホーム。

地下駅であるにもかかわらずR400のカーブがあり、運転⼠や⾞掌からは、2両先くらいまでしか乗降⼝の安全が視認できません。 さらに、すでに運⽤中の複数⾞種に加え、貨物などの通貨列⾞、私鉄との接続も予定されています。
つまり、最⼤級の安全を確保しながら、乗降位置の異なる複数の⾞種に対応する、新しい⽅式のホームドアの開発が急務となったのです。
02
Story
新しい発想で、
いままでにないモノを
構造、内部機構、制御⽅式、どれをとっても、すべてに新しい発想が求められました。1年かけて考え抜いてたどりついたのは、⽇本家屋の〝襖〟のように、固定された扉がなく、どこからでも開けられる、という構造です。

こうした⽅式のホームドアは前例がなく、世界初の開発に挑むことになりました。
また、開発にあたっては〝究極の安全〟を⽬標に達成するために、安全機構とその制御仕様についても、従来のホームドアと⽐較にならないくらい膨⼤で複雑なものになることは必⾄です。

ユーザー、協⼒パートナーとていねいに対話し、技術的根拠と客観的視点に基づいて議論を重ねながら、みんなが納得する正解を模索しながら、⼀歩ずつ着実に前進していきました。
03
Story
どうやって
〝究極の安全〟を実現するか
ホームドアを運⽤するためには、上部の軌道側に安全センサーだけでなく輸送オペレーションのためのあらゆる付帯設備が必要です。 また、開発を進めるうちに、乗務員が安全に輸送できるようにするためには、表⽰モニターやカメラなどの付帯設備が相当数必要 であることが発覚しました。
狭隘なスペースに膨⼤な設備を適切にレイアウトする必要があり、この条件整理については困難を極めましたが、運⽤⾯でのプライオリティをユーザーと調整し、現地設計担当と綿密に情報連携することで、最適な配置を実現できました。

また、乗務員による安全確認については、各⾞両の⾞側灯をカメラを通してモニターで視認確認する⽅法を当初考えていましたが、他駅での事前検証で、この⽅法では視認性が⾮常に悪いということが発覚しました。

そこで、開業2年⾜らずの時期に、急遽、AIによる画像解析判定を導⼊することにしました。
協⼒パートナーはこれまでホームドア関連の経験がなく難航しましたが、必要な信号情報、各動作フローなどをていねいに説明しながら進めることで、必要なソフト検証や動作確認をすべて事前に完了することができました。
04
Story
深まるパートナー企業との
信頼関係
複数年にわたる開発プロジェクトでしたが、パートナー企業とも信頼関係を築くことができました。
当初は、担当者ともほぼ⾯識のない中で、細かな確認や質疑など、毎⽇のように電話やメールを浴びせては、うんざりさせたこともあったと思います。

しかし、こうした膨⼤なキャッチボールのおかげで、開発中頃からは、互いに相⼿が何を求めているのか、何を重要と考えているのか、すべてを⾔わずとも⾃然とわかるまでになりました。
05
Story
50年後に
胸を張れる仕事を
JR⼤阪駅うめきた地下ホームは、2023年3⽉18⽇に無事開業し、広く世間の注⽬を集めました。 「世界初のフルスクリーンホームドア」も⼤きな話題のひとつでした。
JR⻄⽇本は、うめきた地下駅を、未来にありたい姿を実現するための「未来駅への挑戦」として位置付けています。 私⾃⾝、本プロジェクトのコンセプトであった「究極の安全」「柔軟な扉開⼝」「未来館の演出」の3つの柱を実現でき、未来への挑戦に花を添えることができたこと、また、開業以来今⽇まで⼤きなトラブルもなく継続して安定稼働し続けていることは、とても誇らしく思っています。

開発したホームドアシステムは、ホームドア本体の仕様としても⾮常に複雑であることもさることながら、さまざまな他システムとも連動して⼀体的に制御する複雑な仕組みと構成となっています。
⾛り切るしかない状況だったというのが本当のところですが、ここで開発した技術は今後もさまざまな分野で活かされるでしょうし、その過程で得たものは今後の私⾃⾝の強固な地盤となっていくだろうと思います。

たとえば、⼈⼝減少や労働⼒不⾜に対応するための無⼈運転や⾃動化システムなど、まだまだやるべきことはたくさんあります。 50年後に「これは⾃分がつくったものなんだ」と⾔えるように、開発を続けていきたいと思います。

メッセージ

先輩からの

「⼈が想像できることは、実現できる」が私のモットーです。
難しく考えずに、わからないことを貪欲に調べたり、⼈に聞いたりすることが⼤切だと思います。JR⻄⽇本テクシアは、わからないことを「わからない」と⾔える、開発者にとって理想の環境です。 開発に男⼥の壁はありません。むしろ⼥性ならではの繊細な神経が求められる局⾯もあるかもしれません。開発エンジニアとして活躍したい⼈なら誰でも、ぜひ仲間になってほしいと思います。